勝利のラクロスコーチング

ラクロスコーチングのサクセスストーリー! (になればいいなぁ)

試合の入りを良くする方法

メンタルは意外と重要

指導者となってから10年経ちましたが、最近になって見えるようになった(読めるようになった)ことがあります。

それが、選手達の試合前の精神状態です。

 

自分が現役の頃は周りを見る余裕がなかったのですが、指導者としてより俯瞰して見るようになり、今まで見えなかったものが見えてきたのだと思います。

 

そしてこの「選手の精神状態」ですが、僕はこれまでそんなに意識したことがなく、

「緊張するのは練習量が足りなくて自信がないからだ」

という考えのもとほったらかしにしていました。

 

ただ最近、メンタル的なアプローチをすることで大きく変わるかもしれないと思うようになり、ある方法を実践するようになりました。

結果的にその方法で大きな成果を上げることができたので、今回はその方法を紹介したいと思います。

試合の入り(はいり)がいつも悪い

まず、僕がなぜメンタル的なアプローチをしようと思ったかというと、

岩手大学を教えていてほぼ毎年同じような壁にぶち当たっていたからです。

それが

先制点を取られ、さらに追加点も取られてから試合が始まる

という問題です。

つまり、試合の入りがとても悪く、流れを作れないのです。

たまにそこから逆転できる場合もありますが、拮抗した実力の相手に対しては、先制点を取られたらそのままずるずると負けてしまう場合が多いです。

 

さらにタチが悪いのが、いったんピリオドを挟むと、その次の入りも試合前と同じようなノれていない状態に戻ってしまうことも多いのです。

せっかくいいタイミングでタイムアウトを取っても、直後のオフェンスでポカをするシーンは何度も見てきました。

 

この

「試合の入り」

をなんとか改善できないかと考え、いきついたのがメンタルトレーニングでした。

メンタル本で調べてみた

メンタル的なアプローチをする上で何をすれば良いのかわからなかった僕は、とりあえず市販のメンタル本やサイトでどういうことが書かれているか、そしてどんな方法が効果的かということを調べてみました。

その結果、感じたことを率直に言うと、

結局どうしたらいいかわからない

でした。

 

なぜかというと、様々な方法がありすぎて、どれもこれも選手達にやらせるにはハードルが高そうなものばかりだったからです。

僕にとってハードルの高い低いは、選手達を納得させられるかどうかで判断しているので、選手達に伝えづらかったり、伝えても浸透しなさそうなものはとてもハードルが高いものとして感じてしまいます。

 

例えば、呼吸法や瞑想法みたいな類いのものは即却下しました。

なんか気持ちが悪いと思ってしまったからです。笑

精神集中のための「いかにも」感が嫌なのです。昔、チーム全員で手をつないで謎の呪文を唱えて精神統一を図るチームを見たことがありましたが、それに近い感覚でした。自分が嫌悪感を持つものは選手達には伝えられませんでした。

 

というわけで、結局わけがわからなくなった僕は、いったん本やサイトに頼るのはやめて、別な角度からアプローチしようと思い立ちました。

実体験から考えてみた

選手達にやらせるためには「説得力」が大事というのは僕の指導の軸でもあります。

というわけで、説得力をもたせるためにはまずは実体験を思い返そうということで、これまで自分が体験した精神状態について考えてみました。

悪い精神状態とは?

試合前の精神状態で悪い状態といえば「緊張しすぎている状態」です。緊張しすぎている場合は当然ながらしょうもないミスをしがちです。ちなみに、僕は高校時代に極度の緊張状態で過呼吸になったことがあります。当時は野球をやっていたのですが、守備に不安があり、8回途中に代打で出て、その後ショートの守備についた時に意識が薄くなっていきました。

「ミスれない」という焦りの感情と「ボール来て欲しくない」というネガティブな感情でいっぱいいっぱいになったのを覚えています。

「自信がないとき」には極度の緊張状態になりやすいことを自身の経験から学ぶことができましたw

 

また、別のパターンで言うと、

気合をいれるために大声を出す

ときはあまり良い結果にはなりませんでした。

 

例えばよくやったのが、

  • アップ前に全員集合していつもやらないようなでかい声だしを行う
  • アップの声をやたらでかい声で行う
  • バッターボックスに立った時に叫ぶ

といった行為です。

よくよく思い返せば、これらは緊張を和らげるために発散させようとしているだけでした。

一見すると気合を入れている感じで良さそうなのですが、実際は余計な体力を使ってしまっているので良い状態とは言えません。競走馬がパドックでイレ込んで暴れているのとなんら変わりません。

 

また、全く別のパターンで言うと、ほとんど緊張しないということもありました。

ただこの状態になるときはたいして重要でない試合のときなので、そもそも参考になりませんでした。

良い精神状態とは?

では、逆に良い状態とはどのような状態なのでしょうか?

自身の経験を振り返ってみましたが、この「良い状態」というのがイマイチはっきりしませんでした。

 

ただ、世の中のメンタル本や理論をまとめると、

リラックスし過ぎず、緊張し過ぎず、適度な緊張状態

が良いとのことです。

 

??

 

よくわからないですよね?笑

 

おそらく、この精神状態を具体的に説明するのはとても難しい事なのだと思います。なので僕自身も実体験としてはっきりしていません。

ただ、「良い状態」ははっきり覚えていませんが、「最高に良い状態」というのはよく覚えています。それが「ゾーン」という境地です。

究極の集中状態「ゾーン」

良い精神状態のさらに上を行く精神状態として有名なのが「ゾーン」と呼ばれる状態です。やはり、この状態になるのが最も理想的だと思います。

僕も現役時代に何度かゾーンに入ったことがありますが、ゾーンに入ったら「何でもできる」状態になりました。周りも見えすぎます。そして、ボールを持ったらゴールするイメージが止まらないので、とにかくボールを欲しがった記憶があります。

 

また、ゾーンについてはマンガでも描かれていることが多いです。例えば「黒子のバスケ」なんかでは主人公のライバルや味方がやたらめったらゾーンに入ります。ただその入り方ははっきり描かれていなくて、センスでゾーンに入ったり、謎の扉を開けて入ったりと、リアルでは参考になるものではありませんでした。

 

いずれにしても指導者としては、選手たちがこのゾーンに入るようなアプローチができたら最高なのは言うまでもありません。

というわけで、ここからさらにゾーンを深掘ってみました。

「ゾーン」に入ったときをさらに細かく思い出す

ゾーンの入り方のヒントを探るため、実際に自分がゾーンに入った時の試合のDVDを見ながら思い出してみました。

以下に僕がゾーンに入ったときの状況をざっくりまとめます。

  1. 2点差で負けている状態
  2. がむしゃらに打った得意パターンでのシュートが決まる
  3. ゾーン突入

といった感じでした。

 

この流れを振り返ると、

「負け状態からの追い上げ」

「得意パターンの成功」

がゾーン突入のトリガーになっているように感じます。

やはり「状況」と「自信」がゾーンに入るために必要な要素だと思われます。

見落としていたトリガー

ゾーン突入のトリガーをある程度特定しかけていた僕ですが、ここでふと思い出したことがありました。

それが、僕の得点以降、すぐに別の選手も得点をあげ、さらにまた別の選手もすぐに得点をあげるという

ゾーンの連鎖

が起こっていたことです。

 

「追い上げムードで一気に点差を縮めて逆転する」という最高潮の試合展開はラクロスの試合でたまに見られますが、この勢い(ゾーンの連鎖)を作り出しているのは何かということが実は大事だったのです。

 

そしてそれはおそらく「状況」と「自信」とは別のものだと感じました。

 

そこで、あらためてよく思い返すと、

  • 2点差で負けている状態
  • がむしゃらに打った得意パターンでのシュートが決まる
  • 仲間と一緒に喜ぶ
  • ゾーン突入

 

というように、実はこの過程の中に「仲間と一緒に喜ぶ」という行為があったことに気づきました。

後々のゾーンの連鎖のことも考えると、「共に喜ぶ」ことでメンタルが高まったと考えるととても納得がいきました。まさにこの行為がゾーンのトリガーだったのです。

予祝

「共に喜ぶ」ことで最良のメンタルを作るという行為、これは僕の大発見だと思っていましたが、普通にありました( ̄д ̄;)笑

 

まさかの会社の研修でこの内容を教えられてしまいました。。

 

ちなみに、この「共に喜ぶ行為」を

予祝(よしゅく)

と言うそうです。

 

いくつかの会社が取り入れている方法でもあるようで、実際のやり方を説明すると、

例えば、あるプロジェクトが立ち上がったら、その立ち上がりとほぼ同時に祝勝会を行い喜びを分かち合う。

ということをするそうです。

 

まだプロジェクトが成功していないにも関わらず、プロジェクトが成功したテイで祝う。

これを

予め(あらかじめ)+祝う

予祝となります。

 

ちなみにこの予祝ですが、

本気で喜ぶことが大切

らしく、中途半端な喜び方をすると怒られました(笑)

 

喉が枯れるくらい、ハイタッチで腕がもげるくらいの喜びを爆発させる

まで予祝させられました。

 

ただ、この行為をしたことでテンションが不思議と高まり、何か良いことが起こるかもしれないというワクワク感が湧き上がってきたのを覚えています。

本まで出してた

僕の大発見と思っていた喜びメンタル法は予祝として既に世の中にありました。その内容は会社の研修で知ることになりましたが、その講師の方はちゃっかり本まで出してました。 

悔しいので購入しましたけど。。

ラクロスで実践してみた

この予祝を早速ラクロスの指導現場で実践してみました。

やり方としては、

  1. 試合開始の直前に行う
  2. テンションが高まる状況を設定する(例えばサドンデスでのゴールデンゴールなど)
  3. 特定の選手にそのゴールを決める役割を演じてもらう
  4. ゴールが決まったシーンで全員で喜びを爆発させてハイタッチ

という流れです。

 

周りから見たらキモいと思われるかもしれませんが、バカっぽく映るなら良いかなと僕は思っています。変に精神統一でカッコつけるよりはバカっぽいほうが面白いです。

 

この予祝を

  1. 東北地区フレキャンで僕が担当したチームの試合で
  2. 岩手大学1年生の新人戦で
  3. 岩手大学のリーグ戦全試合で

という3パターンで実践しました。

 

その結果…

 

1.⇒ 優勝

2.⇒ 優勝

3.⇒ 準優勝

 

という驚くべき結果に!!

 

さらに驚くべきは、

1のチームはフレキャンの試合で予選最下位にもかかわらず、最終日のトーナメントで優勝。

2のチームは10人という少人数で30人のチームに勝って優勝。

という圧倒的なジャイアントキリングを達成しているということです。

 

単純に、受け持ったチームが強かったからではないというのが本当に驚きました。

 

予祝ってすげー!

(欲を言えば、3のリーグ戦こそ最も結果を残したかったのですが、予祝パワー以前に実力的な開きが大きかったこともあり、ここは若干仕方ない気はしています。)

 

この予祝は岩手大学のOB総会やリーグ戦等で引き続き行っています。

 

初見では「岩手大学おかしくなっちゃった?」と思うかもしれませんが、決して危ない行為ではありません!もし岩手大学の試合等で見る機会があったら、「あー予祝か」と温かい目で見守っていただけると幸いです。